巻 頭 言
南無阿弥陀仏はポストモダニズム
 
空外記念館理事長
光明修養会上首
東洋大学名誉教授
文学博士
  河 波 定 昌

 南無阿弥陀仏は古今東西を貫く宇宙の真理である。しかしながらの南無阿弥陀仏の精神はとりわけ後近代(ポストモダン)の最大にして最高の契機ともなる。
 それはいかなる点においてであろうか。
 まず、二十世紀最大の哲学者であったマルティン・ハイデッガーMartin Heidegger(一八八九〜一九七八)は、近代の特色として主観主義Subjektivismus(人間中心主義)と計量主義(合理主義)とを挙げているが、南無阿弥陀仏の「南無」において主観主義が超えられてゆくのであり、またその南無を通して阿弥陀仏への帰入において計量主義が脱却せられてゆくのである。そしてそこに永遠の真理の世界が開かれてゆくのである。空外上人の生涯にわたるご活躍もこの一点に関わっていたともいえるのである。

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